【電子書籍・コミカライズ決定】イケオジ王弟殿下との白い結婚〜君を愛するつもりはないと言われましたが、なぜか旦那様は過保護に溺愛してきます〜
「……君がまだ、生まれる前の話だ」
「……同い年が、良かったです」
「君と私の年は大きく離れていて、これから先もその差が埋まることはない。それは事実だ」
「……ジェラルド様」
そう、私とジェラルド様は、二十歳以上も年が離れている。
その年齢差を埋めることは、どんなに努力したってできない。
そんなことを思っているうちに、煌々と輝いていた魔方陣の赤い光が消えていく。
ジェラルド様には、全く変化があるようには見えない。
長い指先を開閉して、しばらくの間、黙っていたジェラルド様が顔を上げる。
「……部屋に戻りなさい。早めに休ませてあげたかったのだがな。いつの間にかこんな時間だ」
「はい……」