【電子書籍・コミカライズ決定】イケオジ王弟殿下との白い結婚〜君を愛するつもりはないと言われましたが、なぜか旦那様は過保護に溺愛してきます〜

「……おやすみ、ステラ」
「ジェラルド様」
「……離してくれないか、ステラ」

 もう一度、上衣の裾を掴む。今度は、場所がわからないからではない。
 明らかに、ジェラルド様の様子がおかしい。
 ポタリ、うつむいたその頬から、汗がしたたり落ちた。

「しかし、格好がつかないな」

 ジェラルド様は、片膝をついた。
 慌てて肩を貸そうとしたけれど、身長差もあってとても助け出せそうにない。
 階段の横に置いてあったベルを鳴らすと、心得たように執事長ドルアス様が現れたのだった。
< 93 / 190 >

この作品をシェア

pagetop