【電子書籍・コミカライズ決定】イケオジ王弟殿下との白い結婚〜君を愛するつもりはないと言われましたが、なぜか旦那様は過保護に溺愛してきます〜

「……見ていてもどかしいですが、少しずつ近づけば良いと思っていました」
「え、なんのことですか」
「しかし、このままではお互いの距離が縮まないのではないかと、愚考いたします」
「え、ひぇ!?」

 次の瞬間、私はお姫様抱っこされていた。
 不安定さなんてほんの少しも感じられない足取りで、ドルアス様は部屋の中に入っていく。

「老い先短いこのじいに、仲の良い二人のお姿を早く見せてください」
「……ドルアス様」
「じい、でございますよ。奥様」
「じい……」
「よろしゅうございます」

 そのまま、ジェラルド様が休んでいるベッドに降ろされて、二人そろって布団を掛けられてしまう。
 チラリとみたジェラルド様は、少し汗ばんで苦しそうで、私がベッドに入り込んだことにすら気がついていないようだ。不謹慎だけれど、色気がありすぎて辛い。
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