【電子書籍・コミカライズ決定】イケオジ王弟殿下との白い結婚〜君を愛するつもりはないと言われましたが、なぜか旦那様は過保護に溺愛してきます〜

「では、良い夜をお過ごしください」
「えっ、あの。お医者様とか……!?」
「精霊の加護を受けて魔力が不安定になっているようです。医者など何の役にも立ちません……。そばにいて差し上げてください」
「……それは」

 そのまま、静かに扉は閉められてしまった。
 ジェラルド様は、先ほどまで私の手を引いて歩いていたときも、不調を隠していたに違いない。

「……いつもそうですね」

 そっと、額の汗を拭って、髪を撫でる。
 ちょっと、思っていたのとは違うけれど、今夜は私たちの初夜だ。

 ジェラルド様の体は熱い。
 私は、何もしてあげられない。
 精霊に愛される加護を持っているといっても、私は魔力がほとんどなくて、一般の人と変わらないのだから。
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