【電子書籍・コミカライズ決定】イケオジ王弟殿下との白い結婚〜君を愛するつもりはないと言われましたが、なぜか旦那様は過保護に溺愛してきます〜
ジェラルド様から視線をそらして、部屋の片隅に目を向ければ、淡い青い光と赤い光が寄り添っているのが見えた。
もう一度視線をジェラルド様に向ければ、やはり荒い息づかいで苦しそうだった。今ならきっと、聞こえないから。
「……好きです、ジェラルド様」
そう、ずっと好きだった。
でも、私は王太子の婚約者で、ジェラルド様のそばに近寄ることなんてできないと諦めていた。
白い結婚だと言われたときは、とても悲しくて、苦しかったのに、今、こんなにも近くにいるなんて信じられない。
「白い結婚なんて、嫌です……。ジェラルド様」
そっと抱きしめれば、苦しそうだったジェラルド様の呼吸は、ほんの少し落ち着いたようだ。
ホッとした瞬間、ここしばらくの疲れのせいなのか、私はいつのまにか眠ってしまっていた。