【電子書籍・コミカライズ決定】イケオジ王弟殿下との白い結婚〜君を愛するつもりはないと言われましたが、なぜか旦那様は過保護に溺愛してきます〜
淡い青色の世界 ※ジェラルド視点
――――淡くて青い光は美しい。
だが、その光が与える力は、強い風のようにあるべき人生を吹き飛ばし、作り替えてしまった。
「……ここは」
夢と現実の境が曖昧になった場所に、その存在はいた。
美しく淡い青色の馬が、こちらに視線を向ける。
おそらく、こちらに興味を示したのだろう。静かに近づいてきたその馬は、鼻先を私に押しつけきた。
「精霊、ルルード」
その精霊の名は、王国全土に知れ渡っている。
風の高位精霊ルルード。それは、賢王と名高い三代目の王に加護を与えた精霊だ。
次の瞬間、淡く青い光に包まれる。
与えられたのが加護なのだと、すんなりと私には理解できた。