a Piece of Cake.
きみのおんなぎらい。

言った手前、行かないといけないとは思っている。

「へえ、あの日そんなことが」

昼休み、外から戻ってきた奈緒さんと会社の近くにあるうどん屋へ行った。

かきたまうどんを前に、わたしは頷く。

「その聡現くん? のこと、好きなの?」
「え? いや、全然」
「格好良いんでしょう?」
「わたし、年下の人あんまり……」
「ああ、そっか」
「感謝はしてるけど」

答えてから、うどんを啜った。

「それより、この前の合コンどうなったの?」

尋ねると、奈緒さんはちょっと笑って醤油の蓋をぱちんと閉める。

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