a Piece of Cake.
あめふりらんらん。


出張に行ってしまった奈緒さんにはお土産を頼み、忙しそうな湊ちゃんが息抜きにとランチに誘ってくれた。

「木谷さんとは最近どうなの?」
「ご飯行ったりしてる」
「付き合ってないの?」
「んー、普通に一緒に居て楽しいし」

ほえー、と湊ちゃんは味噌汁を啜りながらこちらを見る。

なにか、とそちらを見返す。

「今までのイリちゃんなら、助走つけてダイブして溺れてる頃なのにって思った」
「すごい、的確な例えしてくる」
「なんか引っ掛かってるの?」
「え、何も……?」

強いて言うならタイミングがない。

告白されたのだから、わたしがそれに答えないといけないんだけど。

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