a Piece of Cake.
その様子は確かにケーキ屋さんらしさがある。
「帰れます?」
首を傾げて尋ねられ、頷く。
「帰ります」
「あ、これ貰っていきます」
わたしの飲みかけの缶ビールを持って、一気に呷った。
良い飲みっぷりに、思わず笑う。
きょとんとこちらを見る彼が、空になった缶をふたつ、公園のゴミ箱に放った。
「笑ってた方が良い感じですよ」
そう言ってこちらに背中を向けて行ってしまった。