a Piece of Cake.

「付き合うと、うわーって舞い上がっていっぱいしちゃうというか」
「営業で毎日メールきてるからそんなん気にならないよ」
「営業メールより中身の薄いものだと思いますが……」
「それは嬉しいよ。首藤さんからくるなら何でも」

嬉しいな、と思った。心臓の奥がきゅーっとなる。

今しかない。

「あの、わたしで良ければ」

聡現くんのマドレーヌを食べさせてあげたいと思った。
木谷さんが驚いたように背筋を伸ばし、手で顔を覆う。

どうしたのかと顔を覗く。

「え、いいの? 良いってこと?」
「お付き合い、できたらと……」

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