a Piece of Cake.

奈緒さんは自分から恋愛の話をしてくれないので、湊ちゃんとわたしはぐいぐい聞くことにしている。

「二人がハンターの目をしてる」
「でも本当にさ、飲みに行けたら楽しくない?」
「花火とか見ながらビール飲みたい」
「イリちゃん天才。お店探しとく」
「それなら穴場知ってる」
「さすが営業!」

ばん、と湊ちゃんが背中を叩き、奈緒さんが咳き込む。

「ご、ごめんね……」
「クッキー出るとこだった」




仕事帰りにお店に寄ると、いつもの店員さんは居らず、違う店員さんが笑顔で迎えてくれた。

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