a Piece of Cake.
「聡現くん、笑うと可愛いよね」
そう言えば、いつもの不愛想な顔に戻る。
「少女漫画みたいな台詞、よく言えますね」
「本当に思ったから」
「あっちに公園あるんです。時間あったら、座りません?」
溜息を吐きながら提案された。勿論了承した。
あの日と同じベンチに座り、わたしは当たり前のようにケーキの箱を開けた。もうお腹が空いている。
「ここで食べるのか」
「あ、フォークない。スプーンでいっか」
プリンにつけてくれたスプーンでモンブランを口に運ぶ。
急に黙ってしまう聡現くんの方を見る。こちらを見ていた。