a Piece of Cake.
いちごがおすき。
あ、このケーキだ。
見覚えのあるティラミスを前に、視線を横へ。
モンブラン、いちごのタルト、レモンパイ、ショートケーキにロールケーキ。
キラキラしているケーキたちは、並ぶお客さんたちに買われていく。
「お決まりですか?」
「はい、ティラミスと、ロールケーキと……タルト、ブルーベリーのって」
「今日はもう売り切れてしまったんです。申し訳ありません」
「そうなんですね。じゃあいちごのタルトで」
眉根を寄せて謝る店員さんに注文を託し、鞄から財布を取り出す。
カウンターの向こうに厨房が見える。