a Piece of Cake.

「お、覚えてたの!?」
「今思い出しました」
「黙ってたんだから言わなくて良いよ!」
「そんな怒らないでも」
「怒ってない、恥ずかしいの!」

箱を折り畳んで袋に戻す。はあ、小腹が満たされた。

「聡現くんは彼女いないの?」
「いないです。言ったことありませんでしたっけ」
「辰己さんが女嫌いだって言ってるのは聞いたけど」

空き缶入れに聡現くんが缶を放った。わたしは立ち上がり、それを見る。

「断ってるのに付き纏ってくる女性が苦手なだけです」
「それは全人類異性に同じこと思ってるよね……気を付けよう」

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