a Piece of Cake.

それが、回数を重ねる毎に、想いが増える毎に、重たくなる。

前に言われた通り、わたしは人を信用してないってことになる。

「気になる魚いた?」
「あ、ウツボが……」

顔を覗かせては隠れるウツボの姿を見て、木谷さんが笑う。

「可愛い」
「ね」
「あっちでイルカショーやってるって」
「見たい!」

手を引かれて歩いていく。

休日の水族館は人が多い。あんまり来た事なかったなと思いながら、イルカの入っている大きな水槽へ視線を向けた。

前の方は濡れるだろうということで、後ろからイルカたちを見る。

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