a Piece of Cake.

意を決したように奈緒さんがわたしの方を見た。

「会社に聞く前に、砺波ちゃんから、木谷さんと同じ会社の人にそれとなく聞いてもらうことにしよ?」
「え、あ、うん」
「もしかしてほら、木谷さんの携帯壊れちゃってるだけかもしれないし。それで会社に連絡して大事になったら木谷さんもやり辛いかもしんないし」
「……うん、わたし、また」
「ん?」
「また、間違えてたかな……」

返事のこないメッセージ。

何となく、事故や病気じゃないことは分かってる。

すごく、聡現くんの作ったマドレーヌが食べたくなった。

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