a Piece of Cake.

「あの、これ良かったら食べてください」

帰り際にマドレーヌを渡した。

木谷さんはきょとんとした顔でそれを受け取る。

「知り合いのケーキ屋さんのマドレーヌで、すごく美味しいので」
「そうなんだ。ありがとう」

ずっと食べてほしいなって思ってたんです。

そう付け加えることなく、そのまま木谷さんとは別れた。

そのあとちょっとしてから、『マドレーヌ美味しかったよ』とメッセージが入っていた。



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