夢見る夢子は、元アイドルに運命を感じてしまいました!
「えっ!いいの?」

「……は、はい。」

「じゃあ、お言葉に甘えて。」



わ、どうしよう!?
たっくんだとはいっても、相手は若い男性。
しかもホームレス。
そもそも、知り合いでもなんでもない。
そんな人を家に入れるなんて、あまりに不用心なんじゃ…



「どうかしたの?」

「え?い、いえ、なにも。」



怖いのは怖い。
でも、元アイドルが家に来るなんて、普通なら有り得ないことだ。
なんせ、相手は美男子隊のたっくんだよ。
歌番組で何週も1位を取ってた大人気アイドルの。



(大丈夫だよ。たっくんは、そんな悪い人じゃない。
それに、たっくんは具合が悪いんだもの。
そんな人を見捨てられないよ!)



「あの、あと少しですから。」

「うん…」



たっくんは、確かに具合が悪そうだ。
家に誘って正解だった。
あのまま、ベンチにいたら、絶対悪化してる。



「あの…古い家なんですけど、その分広いので。」

「そうなんだ…」

私が今住んでるのは、父方のおばあちゃんの家。
おばあちゃんが亡くなって住む人がいなくなり…
ちょうどその頃、私の家で、ちょっとトラブルがあって…
隣の人が、ギターをかき鳴らしながら、下手な歌を歌うのが、どうにも我慢出来なくなって、引っ越しを考えてたら、お父さんが、おばあちゃんの家に住んだらどうだ?って言い出して。
それで住むことになったんだ。


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