夢見る夢子は、元アイドルに運命を感じてしまいました!




「なんだか迷惑かけちゃったね。」

「いえ、気にしないで少し休んで下さい。」

「ありがとう。じゃあ、そうさせてもらうよ。」

「はい。電気、消しますね。」



私は、襖を閉め、客間から離れた。



(さて、と。おかゆでも作ろうかな?)



なんだか妙に浮かれている自分自身にちょっと引いてしまった。



家に着いた私は、客間に布団を敷いて、そこにたっくんを寝かせた。
おばあちゃんが頼んでた配置薬の箱を見てみたら、風邪薬があったから、それを飲ませて…
先週、布団干しといて良かった。
たまに、無性に掃除したくなる日があって、先週、布団をいっぱい干したんだ。
配置薬も滅多に使わないから、解約しようと思ってたんだけど、置いといて良かったよ。



(もしかして、こうなる運命だったのかも…)



なんだか、嬉しくて頬が緩む…
私は適当な鼻歌を歌いながら、おかゆを作った。



今、うちに、あのたっくんがいるなんて知ったら、みんな驚くだろうなぁ。
あぁ、SNSにあげたい!
って、私は分別のある大人だから、そんなことはしないけど、誰かに話したいなぁ。
両親には言えないよね。
妹ももちろんだめ。
身内にはなかなか言い難いよね。
でも、友達にもやっぱり言い難い。
っていうか、言ったらだめだよね!?

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