1年後に離縁してほしいと言った旦那さまが離してくれません

「この疫病神! あなたのせいでミラベルが怪我をしてしまったわ。妹に何か怨みでもあるの!?」
「まったくだ。病気の妹を連れ出すなんて、お前はどうしてそんなに非道な人間になったんだ。育て方を間違えてしまったな」

 両親は激怒して、アリアを別邸に追いやり、ふたりを会わせないようにした。
 ミラベルはアリアの無実を訴えたが、両親はまったく聞く耳を持たなかった。


「お前はなんて優しい子なんだ」
「そうね。あんな酷い姉なんて忘れてもいいのよ。もう姉だなんて思わなくていいわ」

 違うと何度訴えても、両親はにこにこ笑うだけだった。

 ミラベルは決意する。
 絶対にこの家を出てやると。


< 63 / 69 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop