1年後に離縁してほしいと言った旦那さまが離してくれません
ミラベルは自分で本を読み、たくさん勉強した。
医学が学びたいと両親に話し、家庭教師をつけてもらった。
両親はミラベルに激甘なので、何でも彼女の言うことを聞いてあげた。
ミラベルの病気が落ち着いてきて、主治医は焦った。
このままでは伯爵家での仕事を失ってしまうと。
どうにかして病状を悪化させたい主治医の思惑をミラベルは見抜き、家庭教師を通じて別の医師を呼び寄せ、病気の治療をしてもらった。
伯爵家の主治医は医療ミスというよりは、故意によるものだったので、医師免許を剥奪された。
ミラベルは家を出る準備を整えて、嫁いでしまったアリアに会いにアトラーシュ侯爵家を訪れた。
フィリクスは少し頼りない感じがしたが、素直で優しく、姉を大切にしていることが話していてわかった。
だが、姉のアリアは自分の本心を隠していた。
姉の姿を見たミラベルは一芝居打つ。
「旦那さまは、私のものよ。今まではあなたに何でも譲ってきたけど、彼だけは絶対に譲れない」
姉が初めて見せる本音だった。
ミラベルはとても嬉しかったし、それにやはり、姉に対してうらやましくもあった。