蒼薔薇 ・儚い想い・
〜†§†〜
レルム王国
王宮の一角にある"聖霊の間"から一筋の淡い光が暗い廊下を照らした。
「なんだッ。」
いち早く異変に気が付いたのはレルム王国後継者アルーシュ・レルムだった。
ちょうど"聖霊の間"の前を通り、自室へ行く途中のことだった。
"聖霊の間"の扉を静かに押す。
光は中にある黒い扉から漏れていた。
そしてその扉の下には模様が描かれており、昔に"聖霊"が召喚されたと言い伝えられている場所だった。
そして今ここには――
1人の少女が横たわっていた。