蒼薔薇 ・儚い想い・
〜†§†〜
頭が痛い。
痛む頭を押さえながら上半身を起こそうとすると近くから声がした。
「大丈夫か?」
視界に綺麗な青年が映る。
銀髪と淡いゴールドの瞳が印象的だ。
「……ぁ…はい。大丈夫…で…す。」
「君は何処から来たの?」
星羅は青年に問われて初めて、ここが見馴れない場所だと気が付く。
ファンタジーの世界に入り込んだような部屋だった。
ベッドには細やかな細工があり、床には大理石が敷き詰められている。
良く見ると青年が着ている服も映画に出てくるような服装だ。
窓から見える景色はとても日本には見えなかった。
「あ…のぉ。ここってどこですか?」
「レルム王国の王宮内だ。」
レルム…王国ッ!?
全く聞いたことのない国名だ。