幼馴染みとの契約交際が溺愛必須に変更されました。
なんでこんなことになってるんだろう。
先ほどから繰り返し思ったことを、また思う。
だって信じられない──彼に、ベッドに組み敷かれているなんて。
「由梨」
そんな、聞いたこともない愛おしげな声音で、呼ばれるなんて。
この時に至るそもそもの始まりは、およそ半年前。
久しぶりに実家に帰省した週末。
昔の癖で郵便受けを覗いたら、いくつかの郵便物の中に、私宛ての封書があった。
家に入り開けてみると、数枚の紙の一番上に「同窓会のお知らせ」の文字。高校の同窓会の通知だった。
二ヶ月後の五月に、地元駅前にあるホテルの宴会場にて、学年全体向けの集まりを開催するとのこと。卒業十五年目を記念して、と注釈があった。
ひと通り読んで、無意識に、手紙を机の上に投げ出してしまった。
「どうしたの?」と母に問われて、はっとする。
慌てた手つきで手紙を拾い上げ、折り畳んで封筒に元通りしまった。
「なんでもない。何か、買い物ある?」
我ながら唐突な問いだったし、母も察しただろうと思う。けれど何も尋ねることなく、今日と明日に必要な食材で足りていない物を書いたメモを渡してきた。
なんでこんなことになってるんだろう。
先ほどから繰り返し思ったことを、また思う。
だって信じられない──彼に、ベッドに組み敷かれているなんて。
「由梨」
そんな、聞いたこともない愛おしげな声音で、呼ばれるなんて。
この時に至るそもそもの始まりは、およそ半年前。
久しぶりに実家に帰省した週末。
昔の癖で郵便受けを覗いたら、いくつかの郵便物の中に、私宛ての封書があった。
家に入り開けてみると、数枚の紙の一番上に「同窓会のお知らせ」の文字。高校の同窓会の通知だった。
二ヶ月後の五月に、地元駅前にあるホテルの宴会場にて、学年全体向けの集まりを開催するとのこと。卒業十五年目を記念して、と注釈があった。
ひと通り読んで、無意識に、手紙を机の上に投げ出してしまった。
「どうしたの?」と母に問われて、はっとする。
慌てた手つきで手紙を拾い上げ、折り畳んで封筒に元通りしまった。
「なんでもない。何か、買い物ある?」
我ながら唐突な問いだったし、母も察しただろうと思う。けれど何も尋ねることなく、今日と明日に必要な食材で足りていない物を書いたメモを渡してきた。
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