【書籍化】「急募:俺と結婚してください」の手持ち看板を掲げ困っていた勇者様と結婚することになったら、誰よりも溺愛されることになりました。
 たとえ庶民出身の勇者だろうが、不器用でもシリルのようにどれだけ時間をかけてでも良いからと私をわかろうとしてくれて、何か誤解があればごめんねと言い合えるそんな関係を作ってくれる人の方が、私には合っていたみたい。

 確かに、今の状況は絶望的なのかも。

 一度離婚が成立したら、それをくつがえすことは難しい。手回しの良いエミリオ・ヴェルデのことだから、すぐに私と結婚する準備は万端なんだろう。誰が何を言っても、通らないくらいに。

 けど、いつまでも何も出来ずに、怯えたままでなんて終わりたくない。

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