【書籍化】「急募:俺と結婚してください」の手持ち看板を掲げ困っていた勇者様と結婚することになったら、誰よりも溺愛されることになりました。
だって、私はこれから、大事な人の命を盾に取られて、自分の人生を捧げることになるんだから。
言いたいことを、言わせてもらうわ。
「……今の私の心に居るのは、シリルだけよ。貴方に傷つけられた私を、愛してくれたのはあの人で、私のことを何より大事にしてくれたもの。その場所は傍からいなくなったからって貴方になんて、埋めることは出来ないの。こうして、決して逆らえない条件でおどして無理やり結婚したからって、私の心まで思い通りに出来るなんて思わないで」
しんとした地下室の中、なぜか皆何も言わないし動かない。突然あまりにも感情的になりすぎた私に、驚いているのかもしれない。
けれど、こんな時に平静で居られる人なんて、居ないと思う。
「言う事には、ちゃんと従うわ。だから、私以外にはもう手を出さないで欲しい。けれど、絶対に愛することはないわ……私が愛している男性は、シリル・ロッソただ一人だけだもの」
「嬉しいな。俺もだよ。愛している。フィオナ」
私はすぐ背後から聞こえた声に、信じられなくて……驚いて振り向いた。
「……シリル? 嘘でしょう。なんで、ここにいるの?」
言いたいことを、言わせてもらうわ。
「……今の私の心に居るのは、シリルだけよ。貴方に傷つけられた私を、愛してくれたのはあの人で、私のことを何より大事にしてくれたもの。その場所は傍からいなくなったからって貴方になんて、埋めることは出来ないの。こうして、決して逆らえない条件でおどして無理やり結婚したからって、私の心まで思い通りに出来るなんて思わないで」
しんとした地下室の中、なぜか皆何も言わないし動かない。突然あまりにも感情的になりすぎた私に、驚いているのかもしれない。
けれど、こんな時に平静で居られる人なんて、居ないと思う。
「言う事には、ちゃんと従うわ。だから、私以外にはもう手を出さないで欲しい。けれど、絶対に愛することはないわ……私が愛している男性は、シリル・ロッソただ一人だけだもの」
「嬉しいな。俺もだよ。愛している。フィオナ」
私はすぐ背後から聞こえた声に、信じられなくて……驚いて振り向いた。
「……シリル? 嘘でしょう。なんで、ここにいるの?」