【書籍化】「急募:俺と結婚してください」の手持ち看板を掲げ困っていた勇者様と結婚することになったら、誰よりも溺愛されることになりました。
どこに閉じ込められていたとしても彼が居れば絶対に大丈夫だと思えるシリルは、なんてこともないように言った。
ルーンさんがなんとか鍵を開けようとしている間に、私はシリルに気になっていたことを聞いてみることにした。
「……ねえ。シリル。どうして、ここに私が居るってわかったの?」
すぐ傍に居たシリルは、彼の顔を見上げている私に優しく微笑んでから言った。
「ああ。ジャスティナ嬢が必死の形相で、仕事をしていた俺を呼びに来たんだ。君が結婚してからエミリオ・ヴェルデの様子が明らかにおかしいと思っていた彼女は、彼が執着していたフィオナに何かするんじゃないかと、気が気でなかったらしい。だから、自ら彼をずっと見張っていて、フィオナが攫われたと教えてくれたんだ」
「嘘……ジャスティナが? なんで」
自ら見張るって……ジャスティナ、嘘でしょう。
今はこの国の社交シーズンで、婚約前の令嬢には求婚者をつのるための将来に一番大事な時期なのに、何をしているの。
私が信じられないと思いそう言えば、シリルは言葉を重ねた。
ルーンさんがなんとか鍵を開けようとしている間に、私はシリルに気になっていたことを聞いてみることにした。
「……ねえ。シリル。どうして、ここに私が居るってわかったの?」
すぐ傍に居たシリルは、彼の顔を見上げている私に優しく微笑んでから言った。
「ああ。ジャスティナ嬢が必死の形相で、仕事をしていた俺を呼びに来たんだ。君が結婚してからエミリオ・ヴェルデの様子が明らかにおかしいと思っていた彼女は、彼が執着していたフィオナに何かするんじゃないかと、気が気でなかったらしい。だから、自ら彼をずっと見張っていて、フィオナが攫われたと教えてくれたんだ」
「嘘……ジャスティナが? なんで」
自ら見張るって……ジャスティナ、嘘でしょう。
今はこの国の社交シーズンで、婚約前の令嬢には求婚者をつのるための将来に一番大事な時期なのに、何をしているの。
私が信じられないと思いそう言えば、シリルは言葉を重ねた。