【書籍化】「急募:俺と結婚してください」の手持ち看板を掲げ困っていた勇者様と結婚することになったら、誰よりも溺愛されることになりました。
 仮想敵国を作りだし内部の結束を高めるという良くある作戦は、とても理にかなっている。

 俺たち三人は、それを実地で学んだ。

 もし名乗るとしたら、ベアトリス被害者の会だ。

 加害者の犯行をわかりやすく言うと、ベアトリスは常識というものを知らない。

 まあ、それだけなら大事に育てられた深窓の令嬢にはあるあるな症状かもしれないが、要求が通らないとこちらの言うことを一切聞かなくなる。

 これが、まだ二桁以下の年齢の女の子なら、俺たちも「まあ、わからないだろうから、仕方ないな」で許していたのかもしれない。

 これから経験を積めばいつか我慢や妥協を覚えていくだろうと、俺たち人間は下の世代を許し合っていくことを繰り返していくはずだからだ。

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