【つぎラノノミネート中!】「急募:俺と結婚してください」の手持ち看板を掲げ困っていた勇者様と結婚することになったら、誰よりも溺愛されることになりました。
「シリルっ……苦しいっ……」
私は力の強い彼に遠慮無く抱きしめられて抗議すると、シリルは力を緩めてくれた。
「……フィオナ、俺の寝相……見たいんだよね?」
「そうなのっ! ルーンさんに何度も聞いたし、気になっちゃって……もしかして、見せてくれるの?」
どうしても気になっていたシリルの寝相が、見られる! と思った私に、彼は無情にも首を横に振った。
「フィオナ……それは、結婚式の後にしよう。ね? 俺の方も、色々と我慢しているから……うん」
「えっ……私、結婚式終わるまで、見られないの?! どうして……もうっ……シリルー!」
私は何度かお願いって言ったけど、断固としてシリルは首を振り、こういう時に知恵を借りられるルーンさんの介入も、それからは禁じられてしまった。