【書籍化】「急募:俺と結婚してください」の手持ち看板を掲げ困っていた勇者様と結婚することになったら、誰よりも溺愛されることになりました。
「いや、こっちもごめんね。謝ることはないよ。俺たちはまだ出会って間もないし……すぐに信用をしてくれなんて、虫の良い話だった。ゆっくりわかり合っていこう」
シリルは、とても良い仮の夫だ。それは、私だってわかっていた。
けれど、近い将来彼に捨てられることがわかっていながら、心を開くのは難しい。
だって、私はピンチにあった彼を救うための相手に、ちょうど良かっただけで、気に入られて求婚された訳でも……何でもないんだもの。
シリルは、とても良い仮の夫だ。それは、私だってわかっていた。
けれど、近い将来彼に捨てられることがわかっていながら、心を開くのは難しい。
だって、私はピンチにあった彼を救うための相手に、ちょうど良かっただけで、気に入られて求婚された訳でも……何でもないんだもの。