【書籍化】「急募:俺と結婚してください」の手持ち看板を掲げ困っていた勇者様と結婚することになったら、誰よりも溺愛されることになりました。
「そんなことはないわ……ジャスティナは、素晴らしい人だもの」
知らないだけだ。彼女がいかに優しくて寛容で、心まで美しい人なのかを。
「あんたも傲慢な人間の多い貴族にしては珍しく性格は控えめだけど、顔だって可愛いし、誰にでも優しく接し気遣いだって出来る。それに、頭も良いから公爵夫人としての女主人の仕事だって、すぐに習得したんだろ? よそから引き抜いた経験豊富な執事だって褒めてたって、この前にシリルに自慢されたから知ってる」
「私……私」
「さっきも言ったけど。あんたが本当に逃げたかったら、逃がしてあげるよ……それに、俺は自慢の親友とやらを気になってこの前見て来たけど、プライド高そうで面倒そうで、俺は無理だと思った……好みもあるからさ。シリルが誰を選ぶなんて、決めつけるなよ」
「もう嫌なの……ジャスティナのことが、好きなのに。彼女のそばと居ると、つらくて悲しくて……誰もが彼女を褒めるけど、私のことには見向きもしない。そんな自分には、何にも価値がないみたいに思えるの。居なくなって仕舞えば良いって、思ったこともあった。大事で大好きなのに。そのはずなのに……」
「……そうか」
知らないだけだ。彼女がいかに優しくて寛容で、心まで美しい人なのかを。
「あんたも傲慢な人間の多い貴族にしては珍しく性格は控えめだけど、顔だって可愛いし、誰にでも優しく接し気遣いだって出来る。それに、頭も良いから公爵夫人としての女主人の仕事だって、すぐに習得したんだろ? よそから引き抜いた経験豊富な執事だって褒めてたって、この前にシリルに自慢されたから知ってる」
「私……私」
「さっきも言ったけど。あんたが本当に逃げたかったら、逃がしてあげるよ……それに、俺は自慢の親友とやらを気になってこの前見て来たけど、プライド高そうで面倒そうで、俺は無理だと思った……好みもあるからさ。シリルが誰を選ぶなんて、決めつけるなよ」
「もう嫌なの……ジャスティナのことが、好きなのに。彼女のそばと居ると、つらくて悲しくて……誰もが彼女を褒めるけど、私のことには見向きもしない。そんな自分には、何にも価値がないみたいに思えるの。居なくなって仕舞えば良いって、思ったこともあった。大事で大好きなのに。そのはずなのに……」
「……そうか」