【書籍化】「急募:俺と結婚してください」の手持ち看板を掲げ困っていた勇者様と結婚することになったら、誰よりも溺愛されることになりました。
「……見えているよ! そうか。フィオナはそれが、ずっと不安だったんだね。これからは俺が、よくわからない理由で今まで言われなかった分、何度でも望む通り言うよ。かわいいかわいいかわいい……」
「ま、待って。そんなに一気に、たくさん言わないで。恥ずかしい……」
私が慌てて離れようとしたら、シリルは今まで一線を引いていた妻が素直になったことに喜んでか、にこにこ笑顔になっていた。
「けど、なぜベアトリスの件が片付いたら、離婚することになるの? ベアトリスに関しては、まだまだ安心出来たとは言えないけど、俺はフィオナと離婚したいなんて言ったことは、一度もないだろう?」
「え……けど、あの……」
「フィオナ。もうここまで来たら、胸の内を教えて! 気になって眠れなくなるから。ね?」
シリルは冗談っぽく言って、私がなぜ彼が離婚したいと思っているか誤解した理由を話すようにうながした。
「あのっ……だって、あの、夜に……」
私の顔は多分真っ赤になっていると思う。だって、そんなこと明け透けに言えないもの。けど、彼はそれで察してくれたのか、私の顔の前にもう言わなくて良いと手を上げた。
「ま、待って。そんなに一気に、たくさん言わないで。恥ずかしい……」
私が慌てて離れようとしたら、シリルは今まで一線を引いていた妻が素直になったことに喜んでか、にこにこ笑顔になっていた。
「けど、なぜベアトリスの件が片付いたら、離婚することになるの? ベアトリスに関しては、まだまだ安心出来たとは言えないけど、俺はフィオナと離婚したいなんて言ったことは、一度もないだろう?」
「え……けど、あの……」
「フィオナ。もうここまで来たら、胸の内を教えて! 気になって眠れなくなるから。ね?」
シリルは冗談っぽく言って、私がなぜ彼が離婚したいと思っているか誤解した理由を話すようにうながした。
「あのっ……だって、あの、夜に……」
私の顔は多分真っ赤になっていると思う。だって、そんなこと明け透けに言えないもの。けど、彼はそれで察してくれたのか、私の顔の前にもう言わなくて良いと手を上げた。