今は魔王の手も借りたい。~転生幼女のほのぼのチートスローライフ~
 そう言いながらも、滑り落ちる際にどこか打ったのか顔をしかめている。

「エステル! 大丈夫か!?」

 すぐに彼女の身体を抱きあげたのはレスターだ。

「怪我は? 痛いところないか? 泣いて……はないな。よし」

「は、放して、お兄ちゃん」

 心配が高じて頭が回っていないのか、好き放題身体を撫で回されたエステルが顔を真っ赤にしてもがく。

 その横ではローブを土まみれにしたレナーテがディルクの手を借りて立ち上がっていた。

「それにしてもここ、なんなのかしら?」

 エステルが頭上を見ると、かなりの高さから落ちてきたことがわかる。

 それなのに五人に大きな怪我がないのは奇跡だった。

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