今は魔王の手も借りたい。~転生幼女のほのぼのチートスローライフ~
(私たちが目の前に現れても魔王が復活しない。ゲームなら落ちた辺りから操作できなくなって、自動で話が進むんだけど)

 エステルがそう思ったときだった。

「これが──」

 レスターがなにかつぶやいて水晶に触れる。

 その瞬間、触れた場所にぴしりと音を立ててヒビが入った。

「うわっ!? なにやってんだよ、レスター!」

「おいおい、怪力担当はディルクだろ?」

「危ないわ、レスター。魔力が漏れ出してる……!」

 幼馴染たちが声を上げる。

「お兄ちゃん、だめ……!」

 エステルもレスターを水晶から引き離そうとしたが、フェンデルに抱かれているせいもあってままならなかった。

< 104 / 443 >

この作品をシェア

pagetop