今は魔王の手も借りたい。~転生幼女のほのぼのチートスローライフ~
 這いつくばったまま立ち上がることもできず、全身を恐怖と絶望に震わせながら、ついに封印から解かれた魔王ゼファーラントを見上げる。

(私はゲームの流れを変えられなかった……)

 ゼファーラントは自身を見つめるエステルに視線を向け、切れ長の目を細めた。

(もう終わりだ)

 限界を感じたエステルも仲間たちに続いて意識を失う。

 視界が完全に暗転する直前、水晶の欠片を踏む音がまた響いた。
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