今は魔王の手も借りたい。~転生幼女のほのぼのチートスローライフ~
「エステル、後は俺が聞いておくから。お前はみんなの様子を見てきてくれ」

「でも……」

「こいつがなにかするつもりならとっくにしてるよ」

 心を見透かされたように感じ、エステルはぎょっとする。

「なにもしないってことは、ひとまず大丈夫って判断していいと思う。俺はこいつがいつまでもエステルのベッドを占領しているのが許せない」

「それは割とどうでもいいっていうか……」

 魔王が復活し、家にいることに比べたらささいなことである。

 エステルはしばらく逡巡するも、兄に引く気がないと察して家を出て行った。



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