今は魔王の手も借りたい。~転生幼女のほのぼのチートスローライフ~
 必要以上に水分を逃がさないため、中ももっちりとしたやわらかさが保たれて、これまで村で当然のように食されていたものとは別次元のおいしい食べ物になっている。

(それにしてもびっくりしたな。パンができただけでお店まで作られるなんて)

 試行錯誤しながら石窯パンの製作方法を覚えた村人の中で、特に上手に焼き上げる者がいつの間にか金銭や物と引き換えに作ったパンを分け与えるようになった。

 そう、パン屋の誕生である。

 これまで農業や狩りといった第一次産業を主としていた村に、製造業という第二次産業が生まれた瞬間だった。

(なにをしろって言わなくても、勝手に村って発展していくんだなぁ)

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