今は魔王の手も借りたい。~転生幼女のほのぼのチートスローライフ~
「話が終わったのなら帰る」

 そう言うと、ゼファーはエステルを抱き上げた。

 エステルにとっては魔法で運ばれるのも、直接抱き上げられるのも変わらない。

 いつものことだと慣れていたためおとなしくしていたが、その様子を見たレスターが思い切り顔をしかめた。

「エステルを抱っこしていいなんて言ってない!」

「運びやすい持ち方をしているだけだが」

「俺の妹を荷物扱いするな」

「お兄ちゃん、落ち着いて」

 ゼファーの腕に座りながら、エステルが苦笑いする。

「帰ってきたらお兄ちゃんも抱っこしてね」

「今でもいいよ。おいで、エステル」

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