今は魔王の手も借りたい。~転生幼女のほのぼのチートスローライフ~
 正気を失ってもおかしくないほどの年月を、ゼファーはなにもできずに囚われ続けてきたのだ。

「ゼファー」

「眠れと言ったはずだ」

「寝るから、こっちに来て」

 エステルはゼファーの手を引っ張り、自分のベッドの中に招き入れた。

 レスターがいたら嫉妬でゼファーを追い出していたに違いない。

「ちょっとずつ眠れるようになったらいいね」

「なんのために」

「そうしたら夜も寂しくないよ」

「寂しさなど感じたことはない」

「私が寂しいの」

 ひとつのベッドに、しかもエステル用の小さなベッドに入るにはゼファーは大きすぎた。

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