今は魔王の手も借りたい。~転生幼女のほのぼのチートスローライフ~
「ですが、エステルはまだ子供です。男爵様に失礼があるかもしれません」

「本当にエステル嬢が村の発展に関係しているのなら、もう『子供』扱いをする必要はないんじゃないか?」

 レスターはまだなにか言いたげだったが、エステルはそんな兄の服の裾を引っ張った。

「お兄ちゃん、私は大丈夫。ちょっと緊張するけど、男爵様にご挨拶してくるよ」

「でも、エステル……」

 口を開くも、レスターはその先を言葉にしなかった。諦めたように溜息をつくと、使者に向かって頭を下げる。

「くれぐれも妹をよろしくお願いします。……大切な家族なんです」

「当然だよ。──では行こうか」

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