今は魔王の手も借りたい。～転生幼女のほのぼのチートスローライフ～

「……うん」

　ふわっとエステルの身体が魔法で浮かびあがった。

　ゼファーの腕に座ったエステルは、甘えるように顔を寄せる。

「私のために殺すつもりなら、もっとだめだよ」

　ゼファーはちらりとゴダンと私兵たち、そして崩壊した屋敷の跡を見た。

「……お前が望むのなら」

「ありがとう」

　ふたりのやり取りから、どうやら助命が叶ったらしいと理解したゴダンがずるずると後ろに下がる。

　どうやら腰が抜けて立ち上がれないようだ。

　しかし完全に逃げ出す前にレスターが前に出る。

「もう、うちの妹には手を出すな」

「あ、ああ。もちろんだ。メイナ村にも絶対手は出さない……！」