今は魔王の手も借りたい。~転生幼女のほのぼのチートスローライフ~
 ときどきゼファーにちょっかいをかけにいっては邪見にされたが、エステルにとってはそれも楽しく幸せな時間だった。



 炭のおかげもあり、例年よりも快適に過ごせた冬を乗り切ると、地面を覆っていた雪が溶けて春が訪れた。

 穏やかな日光と花の甘い香りを運ぶ風に人々が喜んでいたある日、メイナ村に物々しい使者が現れる。

 シタート城に住む国王からの書状を運んできたのは、騎士団長のハーグだった。

「久し振りだな、レスター。日頃の訓練を怠っていないようでなによりだ」

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