今は魔王の手も借りたい。~転生幼女のほのぼのチートスローライフ~
 野菜と薄く切った塩漬け肉を挟んだだけの簡素なもので、彼女が自作したものだ。

(なんで私、イクサガの『聖女』になんかなっちゃったんだろう)

 彼女がイクサガの世界に転生して、もう二年になる。

 当時の彼女──エステルは五歳。

 ある日突然転生者だと気づいてから、今の自分と前世の自分のすり合わせに一年の時間を必要とした。

 七歳になったエステルは、成人の知識や経験が五歳の頭に一気に流れ込んできたため、前世と今世の『自分』の融合に時間がかかったのだと思っている。

 ようやく頭が追い付くようになった頃にはもう六歳だ。

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