今は魔王の手も借りたい。~転生幼女のほのぼのチートスローライフ~
 燃え盛る故郷で魔物の軍勢に襲われた子供たちは散り散りになり、気絶した勇者が魔族に攫われたところでプロローグが終了するのだった。

(当時はものすごく衝撃的だったんだよね。故郷が自分たちの手で滅ぶっていうのもそうだし、幼馴染や大事な妹と離れ離れになったうえに魔族の生贄としてひどい少年期を過ごすっていうのも……)

 いずれ魔王を倒す力を持った勇者は、魔族たちに類まれな魔力を有していると判断され、器の魔力が満ちる瞬間まで奴隷にも等しい扱いを受ける。

 ゲーム内ではほんの数行で語られるシーンだが、勇者の苦痛は数年も続いた。

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