今は魔王の手も借りたい。~転生幼女のほのぼのチートスローライフ~
 エステルもまた、本来ここにいるべきボスを探して歩き出す。

(ゲームでは隠しダンジョンの最深部まで来たら、チュートリアルボスのドラゴンと戦うことになる。そのときの衝撃で魔王が封印された場所に落ちるのに……)

 ここにはドラゴンのドの字もなさそうだ、とついにエステルは立ち止まった。

(プロローグっぽく見えて、全然始まってなかったってこと?)

 短いとはいえ冒険の終わりがこれでは、少年たちも不満だろう。

 現にディルクは露骨につまらなそうな顔をし、フェンデルも飽きた様子でぶらついている。

「もうこれ以上はなにもなさそうね。そろそろお腹も空いたし、帰りましょうか」

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