今は魔王の手も借りたい。~転生幼女のほのぼのチートスローライフ~
「そうだな。村に帰ろう」

 レナーテと繋いでいたエステルの手をレスターが握る。

「今日はお兄ちゃんが昼ご飯の担当だよ。エステルの好きなスープを作ってあげる」

「キャベツの? ニンジンはいっぱい入れてね!」

(理由はわからないけど、ボスがいないならこの先の展開も起きない。こうなったからには魔王の復活だってないだろうし、プロローグを進めないままみんなと一緒にいられ──)

「なんだ、これ?」

 フェンデルが広間の中心で地面を見下ろして言う。

「どうかしたのか?」

 ディルクと一緒にエステルたちもその場へ向かった。

「この下、なにかあるみたいなんだよ。ほら、足音が違う」

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