今は魔王の手も借りたい。~転生幼女のほのぼのチートスローライフ~
 こつこつとフェンデルがわざと足音を立てて近くを歩くと、たしかに中心部分とその周りで音が違う。

(なにかあるって、ひとつしかないじゃない!)

 ボスのスキップができたことで完全に油断していたエステルは、慌ててフェンデルのもとへ駆け寄り、裾を引っ張った。

「なんにもないよ、帰ろう?」

「お? その反応、もしかしてなにか知ってるな?」

 しかしエステルの制止は逆効果だった。

「そういや、ちびちゃんは昨日ひとりでここに来たんだっけか。この先の秘密を独り占めしたいから、だったりして」

「そんなことしないもん! ここまで来てないよ!」

「慌てるところが怪しいんだよな。正直に言ってみ?」
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