今は魔王の手も借りたい。~転生幼女のほのぼのチートスローライフ~
このままではまずいと思ったエステルだったが、フェンデルの相手などしている場合ではなかった。
「なんかあるなら、掘ってみりゃいいんじゃねーか?」
「あっ。待って、ディルク……!」
レナーテが止める前に、もうディルクは両手剣を振りかぶっていた。
彼が本当の戦士ならば剣をそんなふうに扱わなかっただろうが、今は残念ながらまだ村人でしかない。
地面に刺さった剣は吸い込まれるように刀身を半ばまで土にめりこませる。
「崩れる!」
レスターが叫ぶと同時にエステルの足もとが崩れた。
ふわりと浮かんだ身体が落ちる前に、横から伸びたフェンデルの手が彼女をしっかり抱きしめる。