冴えない令嬢の救国譚~婚約破棄されたのちに、聖女の血を継いでいることが判明いたしました~
苦笑したロージーに従い、ちょっとだけ残念な気分で解れた袖をきりのいい所まで直すと、セシリーは今日の昼食のメニューを思いやった。とはいえほぼクライスベル邸で出される物をそのまま利用しているので、調理の手順さえ間違わなければ大丈夫だ。あれから数度食事を作っているが、ほとんどの人が残さず食べてくれていて、お代わりを望む人も多かった。かくいうリュアンも表情には出さないが……ちゃんと毎回完食してトレイを返しに来るのは嬉しいところだ。
「ねえ、ロージーさん。団長ってなにが好きなんですか?」
「ん~? なぁに、セシリーはもしかして団長が好みなの?」
「違いますよぉ……せっかく同じ団にいるんだから、できることなら仲良くしないとって。私色々やらかして嫌われちゃってますから」
セシリーが膝の上で両肘を付いて冴えない顔を作ると、ロージーは仮縫いした仕付け糸を鋏でぷちんと切って除き、出来映えを確認しながら言った。
「ふ~ん? 別にそんなことないと思うんだけどねぇ。あいつ昔っから、女の子苦手だったからさぁ。照れてんのよ、あのむっつり」
「ねえ、ロージーさん。団長ってなにが好きなんですか?」
「ん~? なぁに、セシリーはもしかして団長が好みなの?」
「違いますよぉ……せっかく同じ団にいるんだから、できることなら仲良くしないとって。私色々やらかして嫌われちゃってますから」
セシリーが膝の上で両肘を付いて冴えない顔を作ると、ロージーは仮縫いした仕付け糸を鋏でぷちんと切って除き、出来映えを確認しながら言った。
「ふ~ん? 別にそんなことないと思うんだけどねぇ。あいつ昔っから、女の子苦手だったからさぁ。照れてんのよ、あのむっつり」