冴えない令嬢の救国譚~婚約破棄されたのちに、聖女の血を継いでいることが判明いたしました~
彼女が言うには騎士学校にも生徒会のようなものがあり、キースもロージーも、そしてリュアンもそこの出身だったようだ。キースは二年から三年の前期まで生徒会長を務め、その後釜を務めたのが、なんと当時一年生だったリュアンだったという。
「キースの生家、エイダン侯爵家っていうのは公爵家に勝るとも劣らない名家でさ。あいつは中でも歴代で飛びぬけて武術、学業共に優秀、品行方正で欠点なんかなんにも無いように見えた。いっこ下のあたしなんかが自分たちの学年で起きた問題に対して改善提案を持って行くとするじゃない? すると眼鏡押し上げてこうよ……」
ロージーは両の目尻を指で吊り上げると、「あなたそれ、本当に真面目に考えたんですか? 検討する価値も無いですね、却下」などと中々わかりやすい物真似を披露してくれ、セシリーがぷっと吹き出す。それで彼女は満足したのか先を続ける。
「んでその後に理路整然と駄目な理由を説明して、反論の余地を与えない訳。むかつくったらありゃしない。ひとつ上なんかじゃなくて、ずっと年上の大人みたいに見えた」
「そんな嫌味な感じだったんですか? 大分今と違うんですね」
「キースの生家、エイダン侯爵家っていうのは公爵家に勝るとも劣らない名家でさ。あいつは中でも歴代で飛びぬけて武術、学業共に優秀、品行方正で欠点なんかなんにも無いように見えた。いっこ下のあたしなんかが自分たちの学年で起きた問題に対して改善提案を持って行くとするじゃない? すると眼鏡押し上げてこうよ……」
ロージーは両の目尻を指で吊り上げると、「あなたそれ、本当に真面目に考えたんですか? 検討する価値も無いですね、却下」などと中々わかりやすい物真似を披露してくれ、セシリーがぷっと吹き出す。それで彼女は満足したのか先を続ける。
「んでその後に理路整然と駄目な理由を説明して、反論の余地を与えない訳。むかつくったらありゃしない。ひとつ上なんかじゃなくて、ずっと年上の大人みたいに見えた」
「そんな嫌味な感じだったんですか? 大分今と違うんですね」